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王国の王都から離れた森の中に1つの屋敷が在る。その屋敷の中では使用人達が忙しく屋敷を駆け回っていた。
何故なら屋敷の持ち主の子供、長男……の妹の誕生会が有り、その準備をしているからだ。
時刻はもう夕方、空は段々と明るい色から暗い色へと変わっていく。
主役の妹、リィナは自分の部屋で使用人の手を借り、ドレスに着替えている。部屋の内装は明るい橙色を中心とした絨毯やカーテンや壁紙、そしてベッド、机、棚、クローゼット等見るからに高価な物が在る。
ベッドや棚には職人に造らせた熊の子供ぐらいの大きさをした人形が幾つも在る。
リィナの容姿も橙色の髪は首で切り揃えられ、頭の天辺ではピョンと癖の有る髪の毛が跳ねている。瞳も明るい橙色で、その整った顔を持つリィナからは活発な印象を受ける。
今日の誕生会はリィナの年が12に成るお祝いなのだが、当のリィナは面白く無い。と言う表情を出している。
それを見た使用人の何人かは悲しそうな顔をしたが、直ぐに笑顔を作りリィナに話し掛ける。
「ほら、リィナ様!そんなお顔では可愛いお顔が台無しですよ!」
「そうですよ!今日の主役はリィナ様なのです!笑顔です笑顔!」
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