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「コハルちゃん、どうしたの?」
気に障る中田の声でハッと我に返る。
考え込んでいるうちに、かなり距離が開いていた。
小走りで追いかけるとポケットに両手を入れて待っていたコウタくんが、ぽすんとコンビニの袋を自転車のカゴにのせた。
「俺が押してく。矢木、荷物載せろ」
コウタくんが無表情にあたしから荷物とハンドルを奪う。
そして器用に片手で自転車を押しつつ、さっきよりも歩調を緩めてくれた。
(はうっ!)
後をついて歩きながら、変なリズムを刻む心臓を押さえる。
あたしは、コウタくんの外見もさることながら、こう言う彼のさりげない優しさがメチャクチャ好きなんだよねー。
なんかもうキュンキュン。身悶(みもだ)えちゃう!
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