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『お前は本当に俺が好きか?』
そう問いかけたコウタくんの真っすぐな目。
逃げも迷いも許されないほど、ただ真摯にあたしに問いかけてた。
あの目が誰かに似ていると思った。
…………似ていたのは桜子だ。
彼女はなくすことを恐れていなかった。
自分の心とも他人の心とも向き合える強い意思と、揺らがない確かな自信。
彼女は、あたしが持っていないものを当たり前のように持っていた。
だから、あんなに腹が立った。
あたしはただ、
コウタくんに真正面からぶつかれる桜子が妬ましくて、羨ましかったんだ……。
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