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「姉ちゃん、姉ちゃん!」
ドアを叩く音に目を開ける。カーテンの隙間から射す光が眩しい。
ああ、そうか。
昨日あのまま寝ちゃったんだ。
ぼんやりしたままベッドサイドの時計に目を落とす。
時計の針は7時半を指していた。
もう起きなきゃ遅刻だな。でも体が重くて動けない。
「姉ちゃん! いい加減にしろよなっ」
勢いよくドアを開いて、中学の制服を着た弟のコテツが姿を現した。
中二あたりからやたら背が伸びてきたヤツは、ひょろりと縦に長い。
顔は鏡を見てるようにあたしそっくりだけど。
コテツはベッドの近くまでくると、目をつり上げて怒鳴り始めた。
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