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自覚した途端、ズキズキした痛みが鼻周辺に襲ってきた。
痛い。
まさか、これ折れてないよね?
折れてなくても、ちょっと潰れていたり………。
い、イヤだ。
こ、これ以上鼻が低くなったら、シャレにならないよ。
手術が必要なら、ついでに高くしてもらえないかな。
「…からさ…」
ベッドを囲むように、ぴっちり引かれたカーテンの向こう側から、遠慮がちに潜めた男の声が聞こえた。
目を覚ましたときに聞こえた声と同じだ。
……この声には聞き覚えがある。
「…コハルちゃん、……かな?……」
そう、このカンに障る声は……間違いなく中田だ。
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