送り狼と赤ズキンズキンちゃん

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目の前を歩いてる広い背中を見上げる。 部活用のエナメルバックをナナメがけにして、片手にはコンビニの袋に入った粉々ポテチ…。 ああ、お金どうしよう。お礼も言ってないし。 少し離れて自転車を押しながら、あたしは思い悩んでいた。 コウタくんが向かっているのは、あたしの家の方角だ。 家まで送ってくれるなんて、夢みたいですごく嬉しいんだけど、コウタくんの自宅は学校を挟んでちょうど逆方向になるんだよね。 部活で疲れてるのに、送らせたちゃったりしていいのかな? 今からあたしの家に行って、コウタくんの家に徒歩で戻るとなると、1時間以上かかる。 今が8時半だから、家につくのは9時半過ぎ。 そこからご飯を食べて、お風呂がきっちり30分。 宿題して就寝となれば、12時まわっちゃうよ。 コウタくん、いつも11時ピッタリには就寝してるのに…。(もちろん夜に2週間ほどコウタくんの家を張り込んで調査ずみ)
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