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気づかれないように密かにくねくねしていると、我が物顔でコウタくんの隣を陣取(じんど)っている中田があたしを振り返って頭を下げた。
「ごめんねー、コハルちゃん。先に行っちゃって。
コウタ、10時から見たいテレビあるから慌ててたんだよ。こいつあの番組、毎週欠かさずみてるからさ。
ダメじゃん、コウタ。
コハルちゃんと離れて歩いていたら、送る意味ないだろ?置いていかないように気を付けろよ」
「………ああ」
「いえいえ。そんな。私は全然大丈夫ですから」
なんて、笑顔で返しながらも、
(じゃっからしいわ!中田!!)
あたしはひそやかに、心の中で中田に暴言を送った。
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