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あたしの白々しい言い訳に
「へー。住所だけで分かるんだ。
コハルちゃんって、土地勘あるんだね」
なんでも無闇(むやみ)に信じる中田が頷いて感心する。
真知ちゃんはあたしに白い目を向けて、呆れたようなタメ息をもらした。
しばらく歩くと、コウタくんの家が見えてきた。
緑の屋根の二階建てで、二階の右側がコウタくんの部屋だ。
「コウタの家、もうこの近くだよ?
ほら、あの屋根が緑の家。
公園の隣の隣なんだ」
中田が自慢げに説明する。
「……」
その態度が無性に気に食わなくて、返事もせず黙っていると、代わりに真知ちゃんが中田の相手をしてくれた。
「あ、そうなんですか。
小野先輩の家、大きいですね。
じゃあ私達は隣の家の塀のとこまでついていきます。
コハル、ちょっと遠いけどいいでしょ?」
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