清く正しい彼女と悪役のあたし

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予想外の答えだったのか、首を傾げてきょとんとしている桜子を置き去りに踵を返す。 そのまま歩き出そうとすると、慌てた声が後ろから追いかけて来た。 「わたし、あなたのこと、1年前から知ってます!」 「……」 立ち止まって振り返る。 大きな瞳にちょっと怯えを含んだ、早瀬桜子が胸に拳をおいてあたしを見ていた。 「………」 1年前から…………って。 あたしがコウタくんに片想い始めてすぐってこと? この人やっぱり、諜報員かも。 侮れない。
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