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「納得いかない」
あたしはぶすっと頬を膨らませて、机に肘を着いた。
前の席で爪の手入れをしていた真知ちゃんが
「で、その後どうしたの?」
と面倒くさそうに話を促す。
あたしは思いきり机を叩いて立ち上がった。
「あんたに関係ないでしょ。バーカって言って去ってきた」
「ひどすぎね。
あんた少女漫画で言えば完全に悪役だよ」
磨きあげた爪に息を吹き掛けて、真知ちゃんはあたしの頭から爪先まで視線を往復させた。
「で、なんなのよ。そのイデタチは」
桜子から逃げ出した後、怒りに任せて自転車を漕いだあたしの髪はいつにもましてボサボサで…
その後怒りのやり場なくて校舎の壁に八つ当たりしていたせいでか、全身よれよれのぼろぼろだった。
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