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「ちょっとしっかりしてよコハル。
こんな姿小野先輩に見られたら最悪だよ」
と、真知ちゃんが制服のリボンを結び直してくれる。
ついでに真知ちゃんはあたしを椅子に座らせて、乱れた髪をとかし、ぼっさり眉を整え、本格的に化粧までし始めた。
楽しそうな真知ちゃんにされるがままになりながら、ぼんやりと机に視線を落とす。
あたしがコウタくんとどう付き合おうと、桜子には関係ない。
それは今でもそう思う。
正々堂々と向き合うのが桜子の美学なら、桜子が一人でやってればいいんだ。
別にそれを強要される謂(い)われなんてない。
大体、向き合うってどうすればいいの?
…………だって。現実のコウタくんは空想や夢の中の彼とは違う。
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