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な、なぜコウタくんがこんなところに!
いや、今はそれどころじゃない!
こんな顔で会ったら、仲直りどころか、変なヤツ認定されて嫌われかねない!
あたしは猛スピードで掃除道具入れに走り込み、モップの間に隠れた。
「…あんた。そこ、臭うからね。
制服臭くなるじゃん」
真知ちゃんが掃除道具入れに近づき、嫌そうに顔をしかめながら小さくドアを開ける。
「メイクは今すぐ落としてあげるから、ちゃんと小野先輩と話したら?」
少し優しい声で発せられた真知ちゃんの提案に
「こ、心の準備が出来てない」
ブルブルと頑なに首を横に振ると真知ちゃんはため息を吐き出して、近くにいた男子生徒を呼び付け何事か耳打ちした。
彼は真知ちゃんに耳元で囁かれた幸福にすっかり舞い上がったらしく。
赤い顔でフラフラしながら戸口へ向かい、
「矢木いる?」
とのコウタくんの問いかけに、
「矢木さんは今いないそうです」
と微妙な受け答えをした。
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