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くるりと体を反転させる。
そのまま逃げ出そうとした瞬間、
「危ない!」
「え、きゃ!」
運悪くあたしの片足は階段を踏み外した。
バランスを崩して後ろに倒れかけたあたしにコウタくんが手を伸ばす。
ぐっと肩を抱き寄せられて、階段上に引き戻された。
勢いで重なるように廊下に尻餅をつく。
「ご、ごめんなさい!」
コウタ君を下敷きにしてしまったことに気付いて慌てて体を起こした。
あり得ないくらい密着してしまったことが恥ずかしい。
いや、それよりなにより。
散々掃除道具入れに隠れちゃったから、あたしの制服、絶対臭う!
臭い女と思われたくなくて、大急ぎで離れようとしたのに、
あたしの身体はあっさりとコウタくんの長い腕に引き戻された。
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