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「……は…はは。怖くなんか………」
ひきつった笑いが浮かぶ。
ドンドンと太鼓みたいになる心臓が痛くて、両手で自分の体を抱きしめうつ向いた。
怖いなんて………。
そんなことない。
そんなこと………あるわけない。
あるわけないのに…………。
恐る恐る顔を上げる。コウタくんの綺麗な目は、ただ、じっとあたしを見ていた。
揺るぎない、ごまかしのきかない、真っ直ぐな瞳。
逃げを許さない強い意志。
誰かに似ているとふと思った。
コウタくんの大きな手があたしの肩から離れていく。
寂しいのにホッとして、おもわず少し距離をとった。
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