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当たり前だと、答えたかった。
好きじゃないなんて、そんなの有り得ない。
だって。
ずっとずっとコウタくんが好きだった。
こっそり追いかけ回して、ひっそり写真とって。
学校でちょっとでも姿を見かけたら、一日ラッキーだと思えるほど、胸がはずんだ。
今だって。
どうしていいのかわからないくらい好きだ。
好きすぎて、おかしくなっちゃうくらいなのに…………。
でも、その言葉は喉に張り付いたまま出てこなかった。
出て来たのは涙だけだ。
「矢木………」
苦しげなコウタくんの顔に胸がきしむ。
そんな顔しないで。
傷つかないで。
手を伸ばして抱きしめたくて、
でも、……………なぜか手を伸ばせない。
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