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そのまま、ドアを開けた格好のまま固まっているあたしの方へと歩いてくる。
まあ、こっちが出口だから当然だ。
「………何か用?」
もしかすると、今まであたしの存在に気づいていなかったのかもしれない。
かなり近づいてから初めて、彼はあたしを不思議そうに見て口を開いた。
ヤバイ。
思考がグルグル回り出す。
コウタくんがいる!
そこにいる!
し、しかも、あたしに、は、話しかけてきてる!
「………う」
「う?」
「う………………りゃあああ!」
なんでそんな行動とってしまったのか。
後で真知ちゃんに「…最悪ね」と一言でまとめられたが。
緊張がピークに達したあたしは、力いっぱいチョコレートをコウタくんに投げ付けて、一目散に逃げ出したのだった。
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