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その日の朝は結構寒くて、白い息を吐きながら学校に向かった。
登校時間には少し早い時間。
3年は自由登校だし、歩いてる生徒の数はまばらだ。
「さむー手袋とマフラーしとけばよかったよー」
おもいっきり独り言を言いながら靴箱まで来て…
あたしは歩みを止めた。
朝練後なのか、スポーツジャージ姿のコウタくんが靴箱にもたれて立っていたのだ。
「…よう」
体を起こして、一言。
「!」
あたしは高速で後ろを確認した。
………だ、誰もいない。
ま、まさかあたしに声かけた?
唖然として口を開き立ち尽くしているあたしに、コウタくんは手に持っていた袋を差し出した。
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