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沢山の色とりどりの花が咲き乱れる中
1つの色のない蕾だけが眠っていた。
その時
セロクエル「咲いた。」
透き通った花びらが開いた。
セロクエルはその花に手を伸ばす。
そばに寄り添う129が問う 。
129「摘んでしまうんですか?」
セロクエル「違うよ。見て?」
花びらから朝露が一滴 セロクエルの手のひらに落ちた そして
それは 美しい宝石のようなー‥
129「種‥?
はっ‥ まさか これは。」
セロクエル「違うよ。」
129「でも‥
セロクエル「違う。
ただの 種 美しく咲いた透き通る 花の 」
129「‥。」
セロクエルはその種をを握りしめて 穏やかに微笑むと 花畑の中 がくりと膝をついた。
129「セロク! 」
セロクエルの体が透き通りながら 粒子になって消えていく。
セロクエル「 僕の番だ。 一番最期か。 でも この花が咲くのを見れて
良かった。」
129は涙を流してセロクエルに触れようと手を伸ばす
が
もう触れられなかった
129「そんな。 嫌だ 僕を 1人に しないで 」
『1人じゃないよ。』
生暖かい風が吹いた。
透明な花の 右隣には桃色に近い橙の花が寄り添うように咲いた。
129「セロク‥」
風がそよぐたび 花々は 揺れた。
透明な花の左隣。凛と咲く ききょうの青。
129は四枚の羽を開いて そよぐ風に身を任せた。
広い花畑を 蝶がひらひらと舞う。
129「ここは 世界の終わりのエデンなのかな
それとも 始まりの園になるのかな
カト セロク オノンお父さん。
僕は不死だから
命はない ないから 終わらないんだ。
だから ずっと見ていられる
このきれいな花々を
あ
透明な花
。 どうして色がないのか 君達は知ってる?
僕、気づいてしまったんだ」
ひらひらと蝶は舞い続ける。
事実を知ってしまった悲しみからかパラパラと涙のような粉が零れた
129「‥
それはね‥ー //////」
透明な花はまるで蝶を見上げているようだった
花達には
きっと この青空が希望と なるだろう。
。
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