オリジナリティが見えない

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秘密結社支部から帰ってきた翌日、ゲストの活動拠点であり。移動式屋台派遣会社・キャラバンフーズのビル内会議室に、ゲスト率いる諜報部隊の各リーダーが集まっていた。 こう聞くと、薄暗く不気味な部屋の中に円卓があり。世にも不気味な怪人達が威勢を競いながら、遅れて登場したまとめ役が存在感を放つ…と言った場面を連想するかも知れない。 実際には清掃の行き届いたタイル張りの床に、白い折り畳みの机と椅子が並び、壁際にホワイトボードが置かれただけの普通の会議室だ。 唯一変わった部分があるとすれば、その場に集った者の中で生粋の人間が、ゲストただ1人である点か。 「みんな集まったな、ではこれより対トンボレーサー対策を練る為の作戦会議を行う。」 上座に座るゲストと、側に控える様に立つウィキ。ゲストは手始めに、ウィキにトンボレーサーに関する解説をするように命じる。 トンボレーサーのコンセプトは、その奇妙な生まれに対して実にシンプルだ。即ち人造細胞の高い耐久性や順応性、運動・反射能力に再生速度等を限界以上に引き上げる。その小細工抜きのパワーとスピードで、ヒーローを粉砕すると言う物。
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