始まりは突然現る

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「らんちゃん…手加減してよぉ」 「裕が悪いんじゃん」 流石、藍だな。 勉強は…だけどスポーツ万能なだけあって男を捩じ伏せるの楽勝か。 「藍、ありがと。あれ?部活は?」 「隆也の為だし、今日は陸上部だったかな」 藍は部活には入ってないが助っ人として様々な部活にいったり来たり…ご苦労様な事で。 「頑張ってなー」 「お、おう!じゃあな!」 なんか顔真っ赤にして走ってったけど…大丈夫か? 「らんちゃん、たかちゃんの笑顔にやられてやんのぉー」 「ん?あ、生きてたの」 ひどーいとか言ってるがスルー。なんかデジャブな会話。あ、そういえば… 「裕、バイトは」 「……そういやあったかなーたかちゃんは?」 「俺は今日休み。てか、早く行かないと…店長が」 怒るんじゃと言う前に裕が走り去ってった。 どんまいチャラ男。 因みに裕とは同じ喫茶店で働いてる。俺は土日やってるかわりに平日休みなのよ。店長は基本優しいけど、皆が言うには俺だけらしい。何故 今度こそ帰るぞ。もう5時じゃないか…チャラ男のせいだ。 俺は静まり返った教室から出て、部活動をしてる生徒達の青春な声を背に足を進めた。 まさか― この日常が今日で終わりだなんて思いもしなかったけどな。
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