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風が心地良く花の香りが、目を閉じていても分かる。あぁ気持ち良い――
って、ちょっとまて。
は?花の香りはないだろ、路地裏なんだ…し……
ガバッ
「なんだ、ここ」
勢い良く起き上がってみれば、見慣れない場所。
見渡しても視界に入るのは、木々や花ばかりで路地裏とは懸け離れている。
タイムスリップ?いや、違うな。
取り敢えず、じっとしてても仕方ないし、散策すっか。
冷静が一番だよな。
「人の気配は…ないな」
これでも気配には敏感なんだ。
こんな長閑(のどか)な場所は地元にあるわけがないから…ますます分からない。
誰かに連絡が出来れば…あ!携帯がある。確か、制服のポケットに…
「あった」
直ぐ様、春樹に電話をかけたが…
《お掛けになった電話番号は…》
…何故だ、電波はあるぞ。何故掛からんのだ。
新手の苛めか。
メール…もだよな。はぁ…と溜息をついて、その場に座り込んだ。
そういや鞄は…っと。足元に落ちてた鞄を開けて中身を確認。
「特に変わりはないな」
鞄を閉め、生い茂ってる草の上に寝っ転がる。寝心地良いな。
「どうすっかなぁ」
空を見詰めても解決策など出てこないが、あ、そういや散策するんだった。
まぁ、後でで良いか。
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