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―黒谷side―
隆也…お前の事は、俺が守る。
最初は蹴散らしてやろうかと思ってたのにな。不思議だ。
これは偶然なのか、必然なのか
あの時…
いつもなら忙しい時間帯なのだが、仕事が早く終わり特にする事もない俺は、いつもの場所に行くことにした。
いつもの場所というのは、人気ない小さな森のことだ。
自然が一番なんだ。和む。
「気持ち良いな」
目を閉じ、風を受けながら足を進めていく。
ふと、声が聞こえた気がした。
此処に誰か居るなんて珍しい
どんなやつか気になって近付いてみた。勿論、気配は消しながら。
もし、自然を汚すようなら
蹴散らしてやる。
声がするところから少し離れた木の陰に身を潜める。
「………、こ…」
微かに聞こえるぐらいで殆ど聞き取れない。
見る限りでは男で然程、高くない身長。
ん?何かしてるな…
良くは見えないが。
寝っ転がったな
俺と同じで自然が好きなのかもな。
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