115人が本棚に入れています
本棚に追加
俺も急いだ方が良いんだろうけど、別に大丈夫なんだ。いや遅刻常習犯じゃないぞ。
「おせぇよ」
前からかけられた声に目を向ける。
「わりぃ春樹」
いつもの事なので、軽く謝って春樹の自転車の後ろに乗る。
毎朝20分に、春樹こと島谷 春樹(シマタニハルキ)の自転車で通ってるんだ。時間は、きちんと守るんだよな春樹は。
「急ぐぞ」
ん、とだけ返事をして春樹の俺より一回り大きな背中に掴まる。
一回りって結構でかいよな、まぁ春樹は180cm俺は169cmだからな。あと1cmで170って微妙な心境なんだよな。
にしても、羨ましい限りだ。男としては、長身や筋肉があるなんて…
「隆也」
「ん?」
「気になるから、触んな…」
「え?…あ、ごめん」
どうやら気付かないうちに筋肉を触っていたらしい。腕とか横腹とか背中とか。そりゃあ気になるわな。
最初のコメントを投稿しよう!