始まりは突然現る

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俺も急いだ方が良いんだろうけど、別に大丈夫なんだ。いや遅刻常習犯じゃないぞ。 「おせぇよ」 前からかけられた声に目を向ける。 「わりぃ春樹」 いつもの事なので、軽く謝って春樹の自転車の後ろに乗る。 毎朝20分に、春樹こと島谷 春樹(シマタニハルキ)の自転車で通ってるんだ。時間は、きちんと守るんだよな春樹は。 「急ぐぞ」 ん、とだけ返事をして春樹の俺より一回り大きな背中に掴まる。 一回りって結構でかいよな、まぁ春樹は180cm俺は169cmだからな。あと1cmで170って微妙な心境なんだよな。 にしても、羨ましい限りだ。男としては、長身や筋肉があるなんて… 「隆也」 「ん?」 「気になるから、触んな…」 「え?…あ、ごめん」 どうやら気付かないうちに筋肉を触っていたらしい。腕とか横腹とか背中とか。そりゃあ気になるわな。
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