始まりは突然現る

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なんとか、遅刻せずに学校に着いた。駐輪場に春樹が自転車を置いて帰って来るのを昇降口で待つ事にする。しかし、嫌な予感が… 「ぅわっ」 「たかちゃんおはよぉ」 予感的中とか俺パネェ。いつもの事ながら、抱き着くのやめて欲しい。男同士で何が楽しいんだか…あぁこいつバイか。 「おはよ、つか離れろ」 「つれないなぁ、俺等の仲じゃん」 「どんな仲だよ。チャラ男め」 「ひっどー、たかちゃんの事好きなのにー」 粉砕しろチャラ男。こいつは、杉野 裕(スギノユウ)っていう友達です。残念ながら。裕は俺の事が好きらしいです。男に好かれてもなぁ…って感じだから、毎回流してる。 「あ、島谷のこと待ってんのー?」 「あ?あぁ。そうだけど、っていつもの事だろ」 島谷は春樹ね。裕は春樹のこと嫌いじゃないけど…なんか、ライバル?って雰囲気かな。裕は大体の人を、あだ名で呼ぶけど春樹は違うみたい。 いつもの事だろって言ったら不機嫌になってしまった。おうふ 「そんな怖い顔すんなよ、今度遊んでやるから」 「ほんとぉ?わーい!約束だからねーじゃあね!」 いきなり元気になったな。現金なやつめ。こうでもしないと、拗ねるし…と裕の走る姿を見ながらポツリとな。
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