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直「はい?」
?「あの、中村直也様でしょうか?」
直「そうですが?」
?「私、高橋守と申します。朝に封筒を拾われたと思うのですが、それについて少しお話しをさせて頂きたく来ました。」
直「そうですか。」
特に、何も考えず玄関を開け高橋さんを通した。
直「すいませんね、朝に拾った時に届ければよかったんですけど、僕も大学があったので忘れてしまってまして。でも、安心して下さい。決して中は見てないですから。」
高「……。」
なぜか、高橋さんは無言になり、目を細くして俺の後ろを見ていた。なぜだろう?という疑問はあったが、封筒を取ろうとテーブルに手を伸ばしたところで、俺はピンときた。
直「違うんです。本当に違うんです。」
テーブルには、さっき見ようとした紙が封筒から出された状態で置いてあった。高橋さんはこれを見たのだった。
高「…。」
直「たしかに中を見ようとはしましたけど、その前に高橋さんが来ましたので決して中は見てないですから。」
高橋さんは何も言ってないのに、俺は見苦しい言い訳を続けていた。
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