始まりの鐘

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不思議な痣が現れて数日。 すっかりその出来事も気にならなくなった頃、私は違う違和感を感じ始めていた。 「まただ……」 携帯のアラームに身体を起こしボーっとする。 数日前から同じ夢ばかりを見るようになっていた。 女の人が呼ぶ声。 でも誰を呼んでいるのか分からない。 『――助けて、お願い。皆を集めて……』 泣きそうな、悲しそうな表情をした金髪のウエーブのかかった優しそうな女の人。 いつも名前の部分だけが聞こえない。 その声を聞くと胸が苦しくなる。 何故か夢の中の私はその女の人に必死で手を伸ばすけど届かない。 どんどん遠ざかって消えていく女の人。 不思議に思いながらも時間はいつもの様に過ぎていく。 朝の違和感を忘れるように仕事をし、家に帰り、そしてまた朝に同じ違和感を感じる。
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