始まりの鐘

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休みの日、友人の通う大学の図書館に来ていた。 『ごめん、講義の追加(>_<) 図書館で待ってって(*^。^*) ちなみに煙草買ってきてくれると嬉しいな♪』 携帯の着信に気付いて画面を見ると、昼過ぎに会う約束の友人からのメール。 私は一度大学を出ると近く飲煙草屋さんに寄った。 「すいません、マルボロライトと赤カプリ4カートンずつお願いします。」 友人の煙草の買い置きと、ついでに自分の買い置きを買うとすぐにお店をでた。 講義が終わるのを待ちながら時間つぶしに本を読む。 読み終わった本を棚に返しに行くと、何故か鐘の音が聞こえる。 静かで低いどこかで聞いた事のある様な音。 ゴーン・ゴーン・・・ その音に導かれる様に向かったのは絵本のコーナーだった。 何故か自然と手が伸びた一冊の本。 表紙には小さな青い惑星と大きな赤い惑星の浮かぶ星空『ルソ』と書かれていた。 スペイン語で『光』 私は何かに導かれる様に絵本を開いた。 その瞬間、身に覚えのある光が身体を包んだ。
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