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そう、全ては「王」の為に。
海堂を協力させていたのも、最初から餌として王に捧げるつもりでいたからだ。
「てめぇら…………よくも俺様を…………っ!!…………ぐっ………………!!」
「『王』に食されること、光栄に思いなさい!!あっはっはっは…………!!」
立ち上がろうとも、膝に力が入らない。今すぐ冴子を殴り飛ばしたいスネークだが、身体が全く言うことを聞かないのだ。
左腕を失ったことによる身体バランスの乱れか、王の絶対的な力に対する恐怖からか、
理由は分からないが、海堂に分かることは唯一つ。
「(俺は……ここでアイツに『食われる』……)」
通常のオルフェノクの影には、変身前の姿が投影されている。
この時、スネークの影に映っていたのは、静かに目を閉じた海堂の姿。
スッと伸びる、アークの触手。
そう そのまま真っすぐ
そのまま真っすぐ、心臓を一突き。
その心は無くとも、かつては照夫が組み込まれていたアークになら、
贖罪になるのなら
俺は、ここで死んでも構わない
「海堂ォーーーーーーーッッ!!」
そうはさせぬは三原修二。
「心此処に在らず」のスネークを両手で突き飛ばし、間一髪 触手の直撃を避ける。
そして乾巧の乗るバイクがアークにウイリー走行で突撃する。
「……………………。」
「ぐぁ…………っ!!」
アークにあっさり弾き飛ばされ、飛び降りた巧は無事なものの、バイクは瞬時に大破する。
「貴方達……今更何をしに来たの!?」
「…………邪魔しに来た。」
巧が静かにファイズフォンの「5」キーをプッシュする。
「あぁ……!!もう復活してる……!!どうするのさ!?たっくん達は……!!」
「しッ!!啓太郎うるさい!!」
離れた場所から見守る啓太郎と真理。
[Standing by]
「変身!!」
[Complete]
巧の全身を 紅く光るブラッドラインが包む。
人類の救世主・ファイズ
進化した人類の王・アークオルフェノク
今、再び始まる「種」と「種」の代表戦。
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