Faiz After Story ~残雪~

13/24
前へ
/26ページ
次へ
そう、全ては「王」の為に。 海堂を協力させていたのも、最初から餌として王に捧げるつもりでいたからだ。 「てめぇら…………よくも俺様を…………っ!!…………ぐっ………………!!」 「『王』に食されること、光栄に思いなさい!!あっはっはっは…………!!」 立ち上がろうとも、膝に力が入らない。今すぐ冴子を殴り飛ばしたいスネークだが、身体が全く言うことを聞かないのだ。 左腕を失ったことによる身体バランスの乱れか、王の絶対的な力に対する恐怖からか、 理由は分からないが、海堂に分かることは唯一つ。 「(俺は……ここでアイツに『食われる』……)」 通常のオルフェノクの影には、変身前の姿が投影されている。 この時、スネークの影に映っていたのは、静かに目を閉じた海堂の姿。 スッと伸びる、アークの触手。 そう そのまま真っすぐ そのまま真っすぐ、心臓を一突き。 その心は無くとも、かつては照夫が組み込まれていたアークになら、 贖罪になるのなら 俺は、ここで死んでも構わない 「海堂ォーーーーーーーッッ!!」 そうはさせぬは三原修二。 「心此処に在らず」のスネークを両手で突き飛ばし、間一髪 触手の直撃を避ける。 そして乾巧の乗るバイクがアークにウイリー走行で突撃する。 「……………………。」 「ぐぁ…………っ!!」 アークにあっさり弾き飛ばされ、飛び降りた巧は無事なものの、バイクは瞬時に大破する。 「貴方達……今更何をしに来たの!?」 「…………邪魔しに来た。」 巧が静かにファイズフォンの「5」キーをプッシュする。 「あぁ……!!もう復活してる……!!どうするのさ!?たっくん達は……!!」 「しッ!!啓太郎うるさい!!」 離れた場所から見守る啓太郎と真理。 [Standing by] 「変身!!」 [Complete] 巧の全身を 紅く光るブラッドラインが包む。 人類の救世主・ファイズ 進化した人類の王・アークオルフェノク 今、再び始まる「種」と「種」の代表戦。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加