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「うらぁっ!!」
先に仕掛けたのはファイズだった。
体重を乗せた前蹴りがアークにヒットし、アークは前のめりになり怯む。
「はぁっ!!……りゃああ!!」
左手でパンチ、右手でデタラメなアッパーを放ち次々とコンビネーションを繋げるファイズ。
この時、巧の思考に
「良く分からないが、チャンスだぜ!!」
といったものは無く
どちらかと言えば、アークに起きている「異変」に不気味さを感じていた。
アーク・オルフェノク。オルフェノクを統べる王。
そんな存在が、こんなに弱いわけが無い。こんな簡単に怯むわけが無い。こんな簡単に翻弄できるわけが無い。
アークは明らかに様子がおかしかった。悲鳴を挙げずにただ、苦しげに頭部を掻きむしりながら、もがく。
やがて、ファイズの攻撃など関係無いように、地に倒れる。
―――――憎い―――――
―――――この男が、憎い―――――
―――――俺は、この男を知っている―――――
―――――乾、巧…………!!―――――
「乾…………巧ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィイ!!!!!!」
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