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「がぁっ………………!!」
「乾さん!!……変身!!」
三原もデルタとなりアークオルフェノクに仕掛けるも、まるで歯の立たぬ強さ。
パンチ一閃、デルタは沈められて変身が解除してしまう。
「照夫じゃねぇ……アイツは…………!?」
「まさか……そんな……王の身体を支配出来る憎しみなんて……しかも、ただの人間如きに……!!」
ロブスターも絶句するレベルの憎悪を糧に動くアークオルフェノクだが、もはや、雅人の憎しみは憎しみとも呼べぬ、暴走に近いものだった。
カイザギアに刻まれた、最も深い憎しみの記憶、それは王の意識をも凌駕していた。
「乾ィィィイ!!」
「ぐ…………ぁ………………」
アークのショルダータックルを受け、吹っ飛ばされたファイズ。
そこに向け、再びアークが、巧の名を叫びながら突っ込んできたのだ。
[Jetsliger come closer]
すかさずファイズはファイズフォンでコード「3821」を入力。どこからともなくやって来たジェットスライガーによりアークを撥ね飛ばすが、まだ足がおぼつかない様子で、フラフラと立ち上がる。
「……くっ…………!!」
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!乾巧ィィィ!!」
そもそも、ジェットスライガーとは本来ファイズ、カイザ、デルタの三人にそれぞれ一機ずつ作られた専用機であり、ファイズのものは北崎=ドラゴンオルフェノクがデルタに変身した際の対戦時に既に大破している。
巧は勿論、そんなことは知らずに一か八かで呼んだのだが……
「はぁ~い♥乾くん、お久しぶり~♥」
「お前は……!!」
ファイズの前に現れたのは、スマートブレイン社のキャンペーンガール・スマートレディ。
衣装である青い服に身を包み、女性らしさを強調するような仕草と口調でファイズに近づいていく。
「前の戦いが終わってから、ぜ~んぜん会いに来てくれなくなっちゃって、お姉さん、寂しかったのよ?エ~ン。」
「……で、何なんだ?」
「実はぁ~……、これを貴方にプレゼントしに来ました!じゃーん!!」
彼女の営業スマイルに苦手意識のある巧には一刻も早く立ち去ってほしい存在なのだが、そんな彼女が取り出したのは一つのアタッシュケース。
ファイズギアやカイザギアと同仕様の、スマートブレインのロゴが刻印されたものだった。
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