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「はい、どーぞ♥」
「……んだこりゃあ…………!!」
アタッシュケースを受け取り、それを開いたファイズの目の前に現れたのは1つのペンケース大の武器。
といっても、どうやら何かに追加で装着するユニットのようで、アタッシュケースの説明イラストにも銃の先端につけるようなものが見られる。
「それは、木場くんが貴方のために開発したものなのよ♪」
「木場が……俺のために……?」
「そ。木場くん、ああ見えて内心では悩んでいたのね。王の目覚めの前に、開発チームに依頼をしてたの。完成したのは、戦いが終わった後だけれどね。」
「…………今回は嫌に親切だな。」
「スマートブレインはもうオルフェノクから手を引くことになってるから、それはもう要らないの♪けどぉ~、せっかくだから使ってもらわなきゃ、勿体ないじゃない?あ、ジェットスライガーを作り直したのも、木場くんの指示なのよ♥」
「……分かった。そういうことなら、有り難く使わせてもらうぜ……!!」
新しい武器・ファイズブレイカーを握りしめ、ジェットスライガーを木っ端微塵に吹き飛ばし再び歩み寄るアークを見据えるファイズ。
「ふふ、いつまでも素直で可愛い子。お姉さんはそういう乾くんが好きよ♥
……王様に今更出てこられても、こっちが困るのよね。じゃ、頑張ってね~!!乾く~ん🎵」
一瞬、黒い笑みを見せたスマートレディは去り、ファイズは所持する装備の中でも最強の威力を誇るファイズブラスターを取り出す。
[Awakening]
ファイズフォンをファイズブラスターにセットし、変身コードと同じ「555」をファイズブラスターに入力する。
[Standing by]
ドライバーに再起動をかけ、パワーアップを果たす。さらに、ファイズブラスターにコード「103」を入力。フォトンバスターモードに切り替えると、銃口部分にファイズブレイカーを装着。
ファイズブラスターにコード「371」を入力する。
[Faiz Blaster Moon Operation]
ブラスターフォームの力を与えるスマートブレイン社製の人口衛星にさらなる進化プログラムが送信され、そこから地上のファイズに向け青白い光が降り注ぐ。
「敵になっても木場は、俺を信じてこんなもん作ってくれたんだ。
だったら、応えなきゃな……その期待に!!」
体色は青紫を基調としたものに大きく変化し、全体的なフォルムも従来のファイズのような丸みを帯びたものでなく、顔や腕、脚などが荒々しく尖ったものになっている。それはファイズというよりはむしろ、巧のオルフェノク態であるウルフオルフェノクに近いと言える。
ファイズ・ムーンブラスターフォーム。
その力は、「ファイズ」の為でなく「乾巧」の為に生み出されたものである。
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