Faiz After Story ~残雪~

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「やっと離しましたか……って、あれ。」 「よっ、と。あ?なんだこりゃ?」 宙に舞ったアタッシュケース。 それはそのまま 騒ぎを聞きつけ現れた巧の手に渡る。 巧の後ろには青い配達用のワゴン車。その側には真理と啓太郎もいる。 「貴様……!!それを渡せ!!」 「……嫌だね。それが人にモノ頼む態度かよ。」 「それ巧が言う…………?」 「ほら、真理 コレ持ってろ。」 巧が真理にアタッシュケースを渡すと同時に、三原修二・海堂直也も駆けつける。 「スマートブレインの残党か……!?」 「ま、久々に俺様の華麗な戦いを見せてやろうじゃないの。」 「い、今の内に……!!」 新手が現れたのを期にセンチピートは逃亡を謀るが、あくまでパンサーの狙いはアタッシュケース。とうに彼に興味など無かった。 パンサーと向かい合う形で横に並ぶ3人。巧と三原の腰には「器」となり得る数々のオルフェノクを葬ってきたベルトが。 ピコリ、ピコリ、ピコリと巧の手のファイズフォンから聞こえるボタンプッシュ音。それと同時に海堂が指をパチンと鳴らし、三原はデルタフォンを顔の横まで持ち上げるように構え…… 巧がファイズフォンを閉じて高々と真上に掲げると同時に、3人の声はシンクロする。 [Standing by] 「「「変身ッッ!!」」」[Standing by] [Complete][Complete] ファイズドライバーとデルタドライバーのタイミングがズレた電子音が鳴り響く。 深紅・青・白の三色の光と共にファイズ・デルタ・スネークオルフェノクが順々に変身を遂げて姿を現していく。 「貴様ら……邪魔をするなぁぁぁぁぁぁあ!!」 相手がベルト所有者及び裏切り者と分かるなり、素早いフットワークで爪を振るうパンサー。三人に向かって飛びかかるような動きをみせるが 「ッりゃあ!!」 身体を落とし、右足を高く上げ、ファイズの上を通過するパンサーの腹部にキックが入る。 「FIRE!」 [Burst mode] そのままパンサーの背面をデルタが狙い撃つ。 「ぐぁぁぁ…………ッッ!!」 「よいしょっ!!」 さらに追い撃ちをかけるかのようにパンサーの顔面にスネークが飛び蹴りを放つ。 あまり見ない3人の共闘ではあるが、コンビネーションは抜群だった。
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