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渋谷さんを探してそろそろ一時間はたつかな?
やべぇ・・・・・・。
いないな。
もうキャンプ場に戻ってるんだろうけど、でも俺は探さないと。
委員長と約束もしちまったし。
「ん?」
俺は懐中電灯を振り回した瞬間に何かを光で当てた気がした。
俺は慎重に辺りを光で当てていく・・・・・・。
「お、渋谷さんみっけ」
「え?」
まさか本当にいたとは・・・・・・。
キャンプ場に戻ってるなんて少しでも疑った俺は最低だな。
ちゃんとかくれんぼやってたんだから。
「・・・・・・」
「んじゃ。次は渋谷さんが鬼って言いたいとこだけど、もう時間も遅いから帰ろう」
「・・・・・・なんなの?」
「え?」
「なんで探しにきたりなんかしてんの!?あんただって気づいてたんじゃないの?私があんたを置き去りにしたことに!それに私はあんたが嫌いなことだってわかってたはずでしょ!?」
「・・・・・・かくれんぼしたら、許してくれるって言ったから」
「は?・・・・・・」
「それに要が言ってた。渋谷さんは本当はいい奴なんだって。見た目でちょっと勘違いされがちだけど、本当は思いやりのある人だって。要のことが好きだから、俺には強くあたり過ぎてるんだって思った」
渋谷さんは俺と顔を合わせようとしない。
「あんた、私がこのかくれんぼやっても許さないって言ったらどうする?」
「えっ!許してくれないの!?・・・・・・なら、また許してもらえる機会を与えてもらえるように頑張るよ」
「私に振り回せれた感じでも、あんたは私のこと恨んだりしないの?」
「・・・・・・そりゃ渋谷さんが根っからのイヤな奴だったら俺は恨むさ。でも、渋谷さんはいい人だからさ。そんな渋谷さんなら、俺は都合のいいヒーローにだってなる」
「・・・・・・バカじゃん」
渋谷さんは肩を小さく震わせて泣いていた。
まぁこれにて一件落着ってやつだな。
しかし、なかなか帰ってこない
俺と渋谷さんを心配したクラスのみんなは森を捜索しまくってくれた。
俺達はクラスメイトに発見されてやっとキャンプ場に戻れた。
そしてみんなに心配をかけてしまった俺達は佐川先生に少し説教をくらって親睦会旅行に幕を閉じたのだった。
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