第一印象じゃ人は分からないが、結局人って第一印象だよね

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帰りのバスの中。 俺は白雪を膝の上に乗せながらぼーっと外を眺めていた。 ・・・・・・。 「アホ面」 「ふぇ?」 不意に話しかけられた変な返事の仕方で振り返った。 渋谷さんだ。 「隣、いいよね?」 「う、うん・・・・・・」 あれ? さっきまで要といたはずだったんだけどな。 「風見・・・・・・」 「はい」 「ごめんね」 渋谷さんが、俺に謝ったよ。 「とものこと、許して欲しい」 「許すもなにも、俺は渋谷さんに怒ってないし」 「・・・・・・ありがとう」 渋谷さんは俺に初めて笑顔を見せてくれた。 その驚異的な笑顔に俺の心臓は苦しめられる。 か、可愛い・・・・・・! 「じゃあこれ」 「?」 「とものメアドと電話番号。連絡待ってるよ」 耳元でささやかれた俺。 渋谷さんは自分の連絡先がかかれたメモを俺の右手に握らせると席をたって戻ってしまう。 よっしゃー! またもや友達増えたよ! しかももう誰も俺を嫌ってる奴はいないはず! これからの学園生活、楽しくなりそうだよ! 俺は胸を弾ませて感激に満ちていた。
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