とりあえず色んな人に出会った方がいいと思うんだ

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「あ・・・・・・」 「・・・・・・」 栄江さんと目があった。 俺は気まずく会釈してカレーを思わず口に運んだ。 ・・・・・・!? 「ラガナスギャアンブラデブラぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「か、風見君!」 「大丈夫!?」 俺はあまりのカレーの辛さに意味不明な言語を発してしまった。 俺は500ミリリットルのミネラルウォーターを一気に飲みほした。 「ゼナャブデロガォャハナぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 しかしまだ辛さは収まらない。 それを見かねた秋羽さんと黒木さんは自分が飲んでいた紅茶と緑茶を俺に差し出してくれた。 俺はそれを再び飲み干した。 「ハァハァハァハァ・・・・・・」 俺はヒリヒリする舌をみっともなく出しながらカレーを見つめる。 「お、おい・・・・・・マジか。これ、ヤバいよ」 「だから言ったじゃないですか」 秋羽さんに言われた。 でも俺は食べる手を止めない。 「もう止めたほうが」 黒木さんに止められたがやめない。 そうだ。 よく考えてみろ大樹。 このカレーは、黒木さんに奢ってもらったもんだ。 つまり、黒木さんの愛が詰まってるはず! ※このカレーは食堂のおばちゃんがつくりました。 「俺は、完食する!」 俺は食べる! カレーにひるむことなく食べる。 止まるわけにはいかねんだ! 黒木さん見ててくれ! 俺だって、たまには男みせるぜ! 「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」 秋羽と黒木はハラハラしながら風見の食べっぷりを見ていた。
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