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私の中ではもう彼は、私の敵だから
「それは、残念です
…じゃあ、僕はこれで」
彼は踵を返すと、戻ってきた道を歩き始めた
「あなたとは、違う形で会いたかった」
聞こえるか聞こえないかの距離で言うと、彼は振り返った
「……運命は、あると思いますよ
"音"が、共鳴しあうまでは」
なんだかよくわからない答えだった
私は
運命だの
音だの
共鳴だの
言ってない
彼はきっと聞こえていなかったんだろう
きっと、ただ、それだけだ
嗚呼、早く戻らなくちゃ
またアイツに叱られる
私は通りを真っ直ぐに進んだ
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