赤色の風船

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病院の長い廊下をゆっくりと、でもゆっくりすぎず歩く。 ガラス張りの窓ガラスには、とても明るいとは言えない表情で"今まで"を振り返えている私が映っている。 沢山笑って 沢山泣いて 沢山怒って 楽しい人生を歩んできたんだと思う。 でも、何に笑ったのだろうか。何に泣いたのだろうか。 曖昧で不確かな記憶はたまに私を不安にする。 ドアの隙間から笑い声が聞こえた。
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