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◇◇◇
「おい、風紀委員」
「……何よ体育委員」
「歩く校則たる存在でなければいけないお前が、何故こんな時間に商店街にいるんだ」
「私はあれよ。こういう日に浮かれて不埒な悪行を働く生徒をしょぴきに来たのよ」
「その右手にぶら下がったケーキ屋の紙袋が嘘をついている」
「あなたこそ、体育委員なら体育委員らしく自宅でクリスマス筋トレでもしていれば良いじゃない。その上腕二等筋と一夜でも明かせば?」
最悪。
最も悪いから最悪。モストバッド。
何が悪いって、こんな聖なる夜に脳筋体育委員に遭遇した事実が。
◇◇◇
「コンタクトを落としてた」と、私を商店街の中央広場に残した母が再び雑踏へダイブしてから10分。
仮にも私はか弱い女子高校生な訳で。
極寒の中、紙袋をぶら下げたまま立ち尽くすのはさすがに足に堪えた。
その限界寸前の足をなんとか休ませようと、中央広場に植えられたクリスマスツリー脇の木製ベンチに腰を下ろしたのだ。
その矢先。
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