脇役だけど最強だったら関係ないよねっ!

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「私は練習しないといけないんです。早くどっか行って下さい」 普段顔をあんまり動かさないラミナだけど今度は本当に怒っている顔をしている。 …………と言うか焦ってるのか? よく分からんが、生き急いでいると言ったところか? 「いや、そんな形だけの素振りじゃ単に体壊すだけだぞ?」 「…………うるさいです」 つっけんどんな言葉を吐くと俺に背を向けて練習を再開しようとする。 あーあー、またそんな意味の無い素振りを………… 「おいおい、そんなに負けたのが悔しいのか?」 「……………」 あ、動きが止まった。 それと同時に空気が固まった気がする…………… 「貴方に…………貴方に何が分かるんですか!!」 おふ…………キレた………… 「私は強くならないといけない!没落貴族の家を復興しないといけない!」 話を聞くとラミナは没落貴族の生まれで強くなって家を復興させたいと。 うわぁ、急にシリアスモード………… シリアスきらーい………… 「なのにろくに苦労をした事ないくせにヘラヘラしている貴方が目障りなんです!」 ヘラヘラしてるんかねぇ俺? いやしてるかもしれねぇけど。 ま、少し言わせてもらいましょうかね? 「苦労してない。目障り。確かに端から見たらそう見えるかもな。だが逆に聞くがお前は俺の何を知っているんだ?」 「っ!?………そ、それは……………」 ほら、言葉に困っている。 恐らくこいつは焦って周りが見えなくなるタイプなんだな。 「俺は愛する人が亡くなった」 「え…………」 突然のカミングアウトにラミナは一瞬言葉の意味が分からなかったようだ。 「俺のこのヘッドホンを作ってくれた人。昔からの馴染みでな。だが数年前、クラスメイトに苛められて自殺した」 首のヘッドホンを取り、愛しく撫でる。 「それもあの日下 陽一絡みときた」 あいつは陽一と少し話をしただけで直ぐに全女子からの苛めの対象にされた。 あれからか、俺があいつに復讐を誓った日は。 「どんなに手を伸ばしても、どんなに叫んでも、どんなに努力しても彼女は帰って来ない。絶望したねあの時は」 「………………」 「お前の望みは家の復興。お前はそこで『自分は強くならないといけない』と言い訳をして先に進まない気か?」 「でも…………私の力は…………」 非力だ。 ラミナは悔しそうに俯く。 「なら考えろ」 俺の言葉にラミナは顔を上げる。
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