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「んあ……………」
暖かい光を受けて意識が目覚める。
「うがー、もうちっとぉ…………」
目覚めるか目覚めないかのこの境目が何とも心地よい。
俺はこの至高の時間が好きである。
と言うか誰だって好きだろ。
ああ、このままもう少し夢の中へ…………
「いつまで寝てるんだい、このバカちんが!!」
「んんんんんにゃ!?」
襖がスパーン!と勢いよく開きそこから現れたのは濃青の着流しに灰色の袴を履いて長い黒い髪を一つに結んだボンッ!キュッ!ボンッ!な女。
背には何故か竹の物干し竿を背負っている。
その女の手には未だ鼻提灯を作って寝ているステアがいた。
「全くこんな遅い時間まで寝ていて、子供は元気に外で遊べ!このバカちんが!!」
「いや、俺、20代…………」
「人の揚げ足を取るな!このバカちんが!!」
「いてっ!」
物干し竿で叩かれました。
何気に痛いです。
なんだよこいつ語尾がバカちんなのか?
「飯はちゃんと作ってあるからさっさと食べろ。このバカちんが。」
「お、おう。」
ステアを引きずりながら先に行く女に俺も付いて行く。
……………何だあの女?
食事をする部屋には最早子供達は集まっており、中には寝かけの子もいる。
盆の上に置かれているのは…………み、味噌汁だと!?
確かにミカちゃんに頼んでいたがこれを使えるのは俺か飄戸斎、あともう一人くらいだぞ………!
「ほら!あんた達も早く席に着きな!」
「「は、はい………」」
続いてシンとリリーナが入場。
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