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そう思った瞬間に、さっきカバンに入れたはずの玉が、腹から出て来て、赤く光りはじめた。
それを見て夜風は、朱美から離れたが、朱美が方針状態になっているのを見て、抱きしめた。
そして、耳元で囁いた。
「ごめんな、朱美。こうでもしないと、お前いうこと聞かねぇだろ? 好きだから…好きだから殺したくないんだ。」
「だからって…ひどいよ…こんなの…」
「刻の支配者になって一緒に戦おう。」
「何と…?」
「運命(さだめ)と。」
夜風が言ったその言葉には、力があった。
少なくとも、朱美は、そう思った。
自分を突き動かしてくれるモノが何であるかは、わからないけれど、今の私にとっては、夜風は幼馴染であり、特別な存在なんだと思った。
こうして、2人の刻は、静かに動きはじめた。
人は 何故死ぬのか
人は 何故老いるのか
人は 人と関わり 変化するモノ
人は 復讐するモノ
人は 裏切り裏切られるモノ
人は 刻が経つことを恐れ しを恐れ 運命(さだめ)に抗う
それを、その秩序と理念に背き、この世界の均衡を保つモノ達がいる。
そのモノ達は、神話の中の存在として、現在まで語り継がれている。
そのモノ達こそが、刻の支配者(タイム・ルーラー)である。
彼らは言う。
「刻の変化は、災厄なり。」と。
序章:きっかけ 終
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