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「ねぇ、サキちゃん。
この病院の七不思議知ってる？」
「私、怖い話苦手なの」
「んーじゃあ、怖くないやつね。
この病院はね、30年に一度。
満月の夜にタイムトンネルが開くんだって。
そのトンネルに入ると望む過去に行けるんだ」
「あはは。何それ。うさんくさい」
「本当だよ？
俺の親父も爺さんも過去に行ったことがあるんだから」
「そんなの、子供にした空想話でしょ？
トウヤさん、そんなの本気で信じてるんだ？」
「だって本当だからね。
俺、その話何度も聞いたし」
「あはは。なんで拗ねるの？子供みたい」
「サキちゃん、全然信じてないだろ？」
「あはは。また、拗ねてる。
うーん。………でも、もしそんなことが本当にあるなら、私も過去に行きたいな」
「過去に行って、何かしたいことあるの？」
「…………あるよ。
あんな事故になんか会わないように、未来を変えたい。
こんな役立たずの足になんか、なりたくなかったもの」
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