68人が本棚に入れています
本棚に追加
「まあ…、あなたは三日ほど眠り続けていたのですが」
え?
三日?
「ようやく目を覚まされましたね」
さらっと言われた、三日間寝てたという事実。
その間自分の世話は誰がしてくれたのだろう?着替えまでしてくれたみたいだけど……まさか…いや、八木さんの家の人とかだろう……
ぐるぐると頭の中をめぐる考えに不安が増していく。
「あの、本当に大丈夫ですか?顔が白くなってきているみたいなんですが…」
ためらいがちに『沖田さん』が声をかけてきた。
ハッと顔を上げると心配そうな表情の『沖田さん』。覗き込むように見られていたためものすごく近い!
「だ、大丈夫です(たぶん。ていうか顔近い!恥ずかしくて顔赤くなっちゃうぅ…)って痛っ……」
後退るために体重をかけた腕から痛みがはしり思わず声が出てしまう。
「無理してはだめです!! あなたは腕に大きな切り傷を負っているんですよ!」
焦りと心配が混じった『沖田さん』の声。次いで通りがかった人に医者と替えの包帯や薬を頼んでいるらしい『山南さん』の声が聞こえたが、私は目を瞑り腕の痛みに耐えていたためその様子は見ていなかった。
だから『土方』がいなくなっていたのも知らなかった。
最初のコメントを投稿しよう!