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「……今回は、本気でしんどい」
「そうなの? 今までと比べたら、まだマシだと思うけど」
涼しげな顔で物を言う彼女は、熱が残るこの身体を起こすように促す。
「はい、これっ」
そして手元に水筒のコップが置かれ、茶色の液体が注がれた。
「サンキュー。これ、麦茶?」
「そうよ。この時期、水分補給は大切なんだから」
「ありがたくいただきますっ」
コップを傾けると、その冷たさに喉奥がきゅっと引き締まる。そんなことはお構いなしに、一気に中身を飲み干した。
「美味いっ! やっぱ麦茶だよな」
「ふふっ、ほんとに大ちゃんは麦茶好きだよね。もう一杯いっとく?」
「お願いします」
空になった容器を差し出すと、その内になみなみと麦茶が注がれる。
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