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「その地震のせいでね、ここら辺の地質が変動したんだってさ。ほら、大ちゃんが掘ってる地面の辺り……妙に軟らかくなってたでしょ?」
「ん? あぁ、言われてみれば、そんな気がするな」
「それで、朝からお父さんが「何かが呼んでる」とかなんとか言い出して……」
「こうなったのか」
遥はこくりと頷き、お茶を啜(すす)った。
「今回は違うんだな」
「え? 何が?」
驚く彼女を横目に、麦茶を口に流し込んだ。
「今までだと、何も根拠が無かったろ? ふとした思い付き、とかいう気紛(まぐ)れみたいなものだったじゃん? でも……今回は、ちゃんとした理由がある」
「そうだねっ! じゃあ、今回はもっとすごいことが起こるのかな?」
遥は、瞳を直射日光よりも眩しく輝かせる。
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