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「……それはまだ判からないが、何か因果関係があるのは間違いないだろうね」
その言葉を聞いた俺は、思わずガッツポーズをかましていた。
「じゃあさっそく取り掛かりますっ!」
「頼んだよ。おお、そうだ。どこまで進んだのか見て行ってもいいかね?」
「えっ?構いませんけど……」
「大智くんはーー今までサボってましたぁーー」
「おいっ、変なこと言うなよ」
「今日は暑いから、ちゃんと休憩も取って貰わなくてはね。好きな時に、好きなだけ休んでもらっても構わないよ──」
そんな冷静な教授の態度は、俺が掘った穴を調べ始めた途端、豹変した。
「大智くん、君は昼夜問わず、ここを掘り続けるんだっ!」
「あの……おじさん、さっきと言ってること違いませんか?」
「ふむ、下層の土の粒子が、明らかに細かくなっている……。周囲の地質と、これ程まで異なっていたとは……」
「あの……教授?」
「では、私はこの穴底の粒子を調べてくるから、後は頼んだよ!」
教授は、その容姿からは考えられないようなスピードで、走り去っていった。
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