DUF

18/30
前へ
/82ページ
次へ
「お父さん、すごく嬉しそう……。あんな姿見たの、初めてかも…………」  見物ついでに付いてきた遥が、父親の後ろ姿を見て、ほくそ笑む。 「だな。張り切り過ぎて、ネジが飛ばないように、しっかりサポート頼むぞ」 「……うんっ、そうだよね! 分かったっ!」  こうして、俺の掘削作業は再開することとなった。  結局、昼食を挟んで掘り続けても、何かある兆候も見られるわけでもなく、穴の深さは腰が埋まる深さ、幅は三、四メートルまで成長した。 これで何も出なかったら、落とし穴を作るしかないと考え出したのは、午後三時くらい。 気温もここ一番高くなり、そろそろ日陰が恋しくなってきた頃、急いで駆けてきたのは、遥だった。 「ん? どうしたんだよ。何か見つけたのか?」 「……お父さんが……大変なのっ!!」
/82ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加