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「お父さん、すごく嬉しそう……。あんな姿見たの、初めてかも…………」
見物ついでに付いてきた遥が、父親の後ろ姿を見て、ほくそ笑む。
「だな。張り切り過ぎて、ネジが飛ばないように、しっかりサポート頼むぞ」
「……うんっ、そうだよね! 分かったっ!」
こうして、俺の掘削作業は再開することとなった。
結局、昼食を挟んで掘り続けても、何かある兆候も見られるわけでもなく、穴の深さは腰が埋まる深さ、幅は三、四メートルまで成長した。
これで何も出なかったら、落とし穴を作るしかないと考え出したのは、午後三時くらい。
気温もここ一番高くなり、そろそろ日陰が恋しくなってきた頃、急いで駆けてきたのは、遥だった。
「ん? どうしたんだよ。何か見つけたのか?」
「……お父さんが……大変なのっ!!」
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