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いつもとは違う遥の雰囲気に、俺は身震いした。
「……何が、あったんだ?」
「お父さんが……倒れた……」
その、余りにも唐突な言葉に、出る言葉も出なくなる。
ほんの少し前まで、あんなに元気だったおじさんが倒れるものだろうか。
不安な一方で、実感が沸かない自分が居た。
「早く来てっ!!」
遥に導かれるままに、俺は教授の下へ走る。
「おじさんっ!」
確かに、目の前に横ばいに倒れていたのは、遥のお父さんだった。駆け寄って抱き抱えると、教授は、その瞼(まぶた)をゆっくりと開いた。
「おお、大智君……」
意識はあるようだが、その呼吸は、荒く早い。
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