DUF

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 そんな、つまらなさそうに手を動かす俺の名前は、阜崎大智(おかざきだいち)。ここ、田舎大学二年生だ。 そして、年来の夢だった大学生活はとっくに色褪せ、マンネリ化を感じ始めている男子学生でもある。  だが、今日というこの日は、そんな日常を忘れさせてくれる「夏休み」。それは数日前から始まり、既に友人との間でも、学生らしい計画がいくつも立っていた。  それがどうして穴を掘る羽目になっているのか。事は、今朝の熱烈なモーニングコールに出たことに始まる。 その電話の相手は、昔から付き合いのある大学教授で、電話の内容は至極単純、「至急だから早く来い」というもの。 時刻は、午前五時。まだ薄暗い夜明け前、朝食すら差し置いて、急ぎ寝床を飛び出して来たというのに、まさかこんな作業を延々と手伝わされるとは……。
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