序章

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焼け焦げた全身の防具に折れた太刀、まるでオオナズチの体表の様に紫色に変色した皮膚。 1人の狩人がその異常ともとれる姿でメゼポルタ広場に転がり込んで来た。 弩岩竜オディバトラスの防具に晶竜クアルセプスの太刀【閃晶刀ルークス】を見る限り、剛種クエストもこなす程手練れた狩人だとみて取れる。 場が騒然となる中、ハンターズギルドの担架に乗せられ運ばれるその狩人。一目見ただけで解る。どのモンスターに負わされたか解らないが、命が助かってもきっと狩人として復帰する事は手練れた者だろうが心の傷が許さない。 胸に嫌な違和感を感じながらその場を去ろうとした時ーー… 「…ーー黒龍だ! あれは黒龍だ!」 狩人は担架に運ばれながらも、まるで何かに取り憑かれ、狂ったかのように叫んだ。
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